映画『グレイテスト・ショーマン』 感想

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3月に入ってすっかり暖かくなってきましたね。

日も本当に長くなって、ついつい「夕方までにやろう」と思っていたことを後回しにしてしまうくらい明るいです(笑)

 

年末ならぬ年度末なので、年末くらいに書きたくて書けなかった記事をしたためたいと思っていますが、

今回は現在上映中の『グレイテスト・ショーマン』の感想をざっくり書きたいと思います。

 

あらすじとしては、貧しい生まれのP.T.バーナムが、家族を巻き込んでショービジネスの世界に足を踏み入れ、

見た目や生まれにコンプレックスを抱えるショーの出演者たちと、成功や挫折(?)を経験し、1人の人間としても成長していく物語…と言って良いかな。

パフォーマンスシーンはどれも見応えあり。ただ、昨年話題になった『ラ・ラ・ランド』と比較すると、私は『ラ・ラ・ランド』の方が好きかなあと思いました。

同じミュージカル映画でもテイストやパフォーマンスの見せ方がまったく違うので、比較できるものではないのですが、

ストーリー運び的には、『ラ・ラ・ランド』の方がわかりやすく胸にぐっと来るシーンがありました。

 

でも、ミュージカルパフォーマンスに舞台的な迫力を求める方には『グレイテスト・ショーマン』はおすすめです。

ヒュー・ジャックマン&ザック・エフロンという豪華な主役陣だけでなく、その他のキャストのパフォーマンスも見応えたっぷり。

特にキアラ・セトルがメインでうたう「This Is Me」はパワフルで耳に強く残ります。

これぞエンターテイメント!と思えるような、「ショー」と呼ぶにふさわしいシーンの多い映画でした(´v`*)

 

以下、ネタバレを含む感想になるのでご注意ください。

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感想(ネタバレあり)

映画の冒頭は「The Greatest Show」という迫力のあるショーのシーンから始まります。

私は生で舞台を観るのも大好きですが、

やっぱり映像でしか観られないパフォーマンスを観ることができるのが、ミュージカル映画の大きな魅力。

この作品は映像の強みを最大限に生かしたパフォーマンスをたくさん見せてくれて、カメラワークが本当に格好良かったです。

冒頭から、まさに観客の心をぐっとつかんでくれるパフォーマンスでした。

 

その冒頭シーンから、時はバーナムの少年時代へ。

「A Million Dreams」という歌にのせて紡がれる子ども時代の物語、個人的にとっても好きでした。まだまだプロローグ的なシーンなのに、早くも感動してしまった(笑)

青春を思わせる、とても美しい歌だと思います。

成長したバーナムと妻チャリティ、そして2人の娘との屋上でのシーンもすごく素敵だったなあ。

光の使い方も美しくて、なんだか『ピーター・パン』の物語が始まりそうな感じもしました。

 

そしてバーナムは勤めていた会社を解雇になり、ショービジネスを始めるのですが、

このあたりも曲にのせながらテンポ良く進んでいって、ついついお芝居シーンが長いと飽きてしまう私には、ちょうど良いタイミングで歌が挟まってくる構成で見飽きるということがなくて良かったです。

ショーナンバー、「Come Alive」はまさにショー!という感じで、ディズニーのショー的な明るさもあり、ちょっとマイケル・ジャクソンっぽさもあり、わくわくさせてくれるメロディと手拍子。

 

バーナムと、ザック・エフロン演じるフィリップの曲、「The Other Side」も映像ならではの見せ方で格好良かった!

ダイナミックな曲も良いけど、こういう、小道具を巧みに操る演出も格好良くて画面から目が放せなくなります。

いつの話だ、って感じですが、私の中ではいまだに「ザック・エフロン=ハイスクールミュージカル」のイメージがどうしても強いので、素敵に貫禄を身につけたザックにちょっと驚いてしまった(笑)

役柄にぴったりの上品な雰囲気で、でも少年っぽいかわいらしい表情もあり、久々にザックのパフォーマンスを観ることができて嬉しかったです。

このシーン、バーテンダーも重要な役ですよね。

 

ストーリーとしては正直、最初からさくさくと成功していくようなイメージで、

どこかでするはずの挫折は一体いつするんだろう、と思っていたのですが(笑)、

物語を揺らがしたのは、バーナムが夢中になってしまうくらいの歌唱力の持ち主、歌姫ジェニー・リンドの登場でした。

個人的には、物語を動かすにしてはちょっと弱いかなあ…と思ってしまう展開。

ここから先はけっこうそんな感じで、パフォーマンスは良いのですが「パフォーマンスありき」でストーリーが進んでいく感じでした。

「いろいろなものを見せてもらえる」一方、登場人物の誰かに感情移入するということが難しくて、パフォーマンスに自分の心情が追いついていかない部分があった。

 

リンドに魅了されたバーナムが、突然ショーの出演者たちを邪険に扱い出すところも、何かもう少しエピソードが欲しかったかなあ。

ここでうたわれる「This Is Me」、もちろん素晴らしいのですが、

個人的には映画を観る前に親友がシェアしてくれたこちら↓の動画の方がずっと良かったです。

映画製作始動前のワークショップの映像だとか。

キアラはじめ、周囲の感情の高まり方が本当に素晴らしくて、これだけで泣けてしまう。

映画はやっぱりストーリーや役という枠組みもある分、これよりきれいにおさまってしまった感じがしました。

もっと、この動画のような爆発感があっても良かったかも。

 

と、ストーリーに少々文句をつけつつも、私はフィリップとゼンデイヤ演じる空中ブランコ乗り、アンの惹かれ合うシーンがとても好きでした(笑)

まず空中ブランコ乗りという設定が個人的にツボ。

もともとシルク・ド・ソレイユのサーカスを観るのも大好きで、シルクの空中ブランコ(というか空中のパフォーマンス)もとても優雅で美しい演出のものが多いのですが、

その空中ブランコの動きをベースに作られた「Rewrite The Stars」のパフォーマンス、素晴らしかったと思います。

くるくると視点が変わって躍動感があり、これもやはり映像ならではの魅力がありました。

障害がある中で惹かれ合う2人、という設定は古来から観客を惹きつけてくれるけれど、

そこにザックの戸惑いが感じられる演技が合わさって、尚印象に残るものになったと思います。

なんかちょっと、キャラクター設定的にバーナムよりフィリップの方が美味しいとこ取りになってる感も否めないなー。

 

そういう意味では、劇場が火事になるシーンもやっぱりフィリップが格好良い(笑)

最終的にはバーナムが動くことによって締まるのだけど、バーナムがショーの仲間たちを放ったらかしにした時間がなんだか長く感じられ、

家族も劇場も失ったバーナムの前に仲間たちが現れ、「あんたのおかげだ」みたいに言うシーンも、

あんなに放置されたのに、みんな心が広いな、という感想を持ってしまった(笑)

 

たしかに居場所のなかった彼らにバーナムが最高の居場所を与えてあげた、というのはわかるのだけど、

最初、ショーへの勧誘シーンがテンポ良くさくさくと紡がれていくので、逆に「大きな苦しみからバーナムが救ってあげた」感がいまいち伝わらず、

最終的にここでちょっと違和感を持った。。

 

最後のシーンで美味しいとこ取りなのも、結局フィリップだったような気がする(笑)

ショーも家族も大事に、というバーナムの姿も、それはそれでいいんだけども。

なんだかそのあたりがちょっと中途半端に感じられてしまったのでした。

なので余計に、「これはパフォーマンスを見せるために作られたストーリー」という感じがしてしまった。

ひとつひとつのパフォーマンスは観ていて心躍ったけれど、ストーリーそのものに心を動かされることはありませんでした。

『ラ・ラ・ランド』のラストの10分間みたいに、「ここが最高の盛り上がり!!」っていうのが明確にわかるシーンがある方が、観終った後の印象も強いなあ、ということを実感。

 

 

などなど書いたけれども、「観て良かったなあ」と思える映画なのは間違いないし、

やっぱりエンターテイメント性がかなり高い作品だと思います。

ほんと、ミュージカルって良いですね(´v`*)

 

そして今回映画館で予告を観て、ピクサーの新作『リメンバー・ミー』がちょっと気になってしまいました(笑)

予告を観るかぎり、アナ雪の番外編と合わせなくても単独でかなり面白そうな作品な気がしたのですが…。

評判次第で、映画館に足を運んでみようかなーと思っています。

 

Liebe Grüße,

Natsuru

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