シアタークリエ10周年記念公演 『TENTH』 感想 -その1-

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TENTH

昨年、ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』(←私いつもブログに書くとき「~足ながおじさんより~」を無意識に省略してましたが。。)で足繁く通い、

もちろんその他の作品も観させていただいている劇場、シアタークリエ

劇場ができてから10周年ということで、今月は年明けからその記念となる舞台が上演されています。

 

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第一部は、10周年記念ダイジェスト公演ということで、全二幕のミュージカルを一幕に凝縮して上演。

演目は週替わりなのですが、『ネクスト・トゥ・ノーマル』『ニュー・ブレイン』『この森で、天使はバスを降りた』の3作品です。

 

第二部は、10周年記念ガラコンサート。これまでシアタークリエで上演されたミュージカルに出演した俳優さんたちが集まり、いろいろなミュージカルナンバーをうたってくれるという、ミュージカルファンにとっては夢のような企画!

 

私は大好きな坂本真綾さんが出演される3週目、1月28日(日)公演のマチネに足を運びました♡

ちょっと予定がわからなくて『ダディ・ロング・レッグズ』の歌もうたわれるであろう日程はチケット申し込みはしなかったのですが(今思えばすればよかったのだけど…)、

同じくシアタークリエで数年前に観た『ZANNA~a musical fairy tale~』のナンバーを久々に聴きたい!と思ったのもあり、この日を選びました^^

いざ、劇場へ!

ロビーにはシアタークリエお馴染みの「クリエちゃん」が、今までの演目のキャストに扮してずらり。

かわいい!(笑)

そしてTENTHに出演中の俳優さんたちが、それぞれ自分の演じた役のクリエちゃんの横などなどにサインされています。じっくり眺めてみても楽しい^^

真綾さんのサイン♡

4月に観に行ったスヌーピーのミュージカル、YGCBこと『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』勢のサインもかわいかったです(´v`*)

(YGCBとか、ちょいちょいこのブログで感想書きそびれている作品があるんですよね。。ごめんなさい。。YGCBはコミック感あふれる、とってもかわいくてほっこりするミュージカルでした!)

今回楽しみにしていたZANNA勢のサインもアップで^^

あまりゆっくり撮れなくて上が光ってしまってて申し訳ないですが。

3週目の演目時間はこちら。撮った時はよく見てなくて、今写真を見て「え、第一部そんなに長かったんだ!」と思った(笑)

見入ってしまって、なんだかあっという間に感じました。

第一部『この森で、天使はバスを降りた』

ここからは内容の感想になります。ネタバレは普通にあるかと思いますので、ご注意ください。

 

『TENTH』公演では、坂本真綾さんが主役のパーシーという女の子を演じている『この森で、天使はバスを降りた』。

この作品についての知識は、「何年も前に映画やってたなー」というくらいのもので、ストーリーも全然知らずに今回のダイジェスト版を観ました。

全二幕版を観ていないので、どのシーンがどう削られたのかはわからないのですが、ダイジェスト版でも見応え十分で、歌あり、お芝居ありで舞台に目が釘付けになった1時間半でした。

ストーリーもとてもわかりやすかったです。

あらすじ

舞台はアメリカ・メイン州のギリアドという田舎町。過去に犯した罪で刑務所に囚われていたパーシーが、仮釈放の身となり真夜中にバスでやって来たのがこの町だった。

理由は、刑務所内で見た旅行案内に載っていた、美しい秋のギリアドの写真に心を奪われたから。

かつては採石場としてにぎわい、今はその影もないほどさびれてしまったギリアド。その町のスピットファイア食堂で、住み込みで働かせてもらうことになったパーシー。

彼女は食堂の女主人のハンナや、優しく穏やかなシェルビーと共に働きながら、町の人たちと少しずつ心を通わせていく。

そんな折、食堂を手放したいと言い出したハンナにパーシーがある提案をしたことがきっかけで、さびれていたはずの町は徐々に活気を取り戻していく――。

感想

まず心に響いたのは、美しいフォーク調の音楽でした。

ギターの弦がじゃりじゃり鳴る様子を聞くと、その時々でいろんな風景や感情が胸に浮かぶような気持ちになります。

凍てつくような寒さであったり、ひとりきりの孤独や、夜の森で迷子になるような寂しさ、心細さであったり。(真綾さんの「ちびっこフォーク」という曲に、フォークギター独特のこの雰囲気が如実にあらわれている感じがする)

でも同時に、陽だまりの風景や人の心のたくましさ、力強さ、そして故郷の懐かしさみたいなものを思わせてくれる音。

私にとって、フォークギターというのはそんな位置づけにある楽器です。

 

そんなギターを中心に奏でられる曲が、物語の舞台であるギリアドをますます色づかせていて、曲にも、そして俳優さんたちの演技にも、温度を感じる舞台でした。

俳優さんたちもみんな、とても素晴らしかったです。

真綾さんのパーシーは、レミゼのエポニーヌ、ダディのジルーシャ、と真綾さんのミュージカルを観てきた私にとって、また新たな境地を教えてくれました。

ギリアドに来たばかりの頃、素っ気ない言動で他人を避けるようにあしらっていたパーシーが、ハンナやシェルビーたちと過ごし、ギリアドの素晴らしい自然に抱かれる中で、やわらかな表情や素直さを取り戻していく様子がとても素敵だった。

パーシーを丸ごと受け入れるハンナ(剣幸さん)やシェルビー(土居裕子さん)の温かさに、観ている私も救われるような気持ちになり、3人で笑い合っているシーンを観ているだけでなんだか癒されました。

特にシェルビーから感じる「包み込む優しさ」がすごかった。彼女と一緒にいれば、パーシーはどんなことでもきっと乗り越えていける、という感じがしました。登場シーンでは夫のケイレブによる扱いのせいで縮こまり、消え入るような声で話していたのが、徐々にしゃんとして本来の芯の強さが表に出てくるようになるのが印象的でした。ふわっとした雰囲気なのに芯の強い女性って本当に美しいですよね。

 

坂元健児さんのケイレブもとても良かった! 初めて坂元さんを拝見した初期の『ラインキング』をつい懐かしく思い出しつつ、相変わらず声量に安定感があるなあ、と実感。亭主関白な雰囲気でシェルビーから自由を奪っていたケイレブが変わり、シェルビーの落とした食器を拾い、そのままお盆をカウンターまで戻してあげるシーン。すごく印象に残りました。

平方元基さん演じる保安官のジョーも、全身からにじみ出る柔和な雰囲気(良い意味でちょっと頼りない感じ)が、ちょっぴり男勝りなパーシーとよく似合っていて。この2人には、自然に囲まれながら穏やかに人生を送ってほしいな、という気持ちになりました。

噂好きのエフィを演じる田中利花さんもとってもチャーミング^^最後、「女の子」の括りに入れてもらえなかったシーンには笑ってしまいました(笑)こういう噂好きの登場人物、時に主人公たちの敵のように見えることもあり、でも本人には悪気はなかったりして、憎めなくて好きです(笑)

 

そしてこの物語の鍵となる、Spiさん演じるイーライ

こういう、「あれは一体何ものなんだろう?」みたいに最初観客に思わせてくれる、触れてはいけないような謎のある話の展開、個人的にとても好きです。

一言で言うと「ミステリアス」という言葉に集約されるかもしれないけど。

この物語の絶妙なアクセントになっているのが、彼の存在だと思います。

最後、ハンナとイーライが再会するシーンはぐっと来ました。

 

一番好きだったのは、パーシーがイーライを追って夜の森に入り込み、

そこで陽の光に照らされた、美しいギリアドの秋を目にするシーン、「ひかりよ照らして」

 

力強く、心の底から救いを求め、全身から振り絞るように陽の光に向かってうたうパーシーの姿。

思い出すだけで鳥肌が立ちます。真綾さん、本当に素晴らしかった。

 

そして、自然って本当に美しくて、人間のどんな過去も、感情も、包み込んで癒してくれるんだ、ということをあらためて感じました。

ここ1年くらい、意図的に自然の中を散歩してその美しさにあらためて感動することが多かったのですが、この作品を観て、その素晴らしさを更に深く教えてもらった。

黄金色に染まり、光のように輝く森、黄金色の木の葉でいっぱいになる金色の小川。

いつか私も、この目で見てみたいと思いました。

 

悲しくてやる瀬ない気持ちになるシーンもあるけれど、それでも人の温もりを教えてくれ、自然の素晴らしさを語ってくれるこの作品。再演されたら、ぜひ全幕で観てみたいです。

ちょっと調べていたら、映画はまた結末が違うみたいですね(ネタバレ厳禁派なのに普通に結末読んでしまいました(笑))。

ぜひギリアドの町の様子や自然の様子を映画でも観てみたいので、今度借りてみようかな^^

 

長くなってますが、第二部の感想は次の記事に書きたいと思います!

 

Liebe Grüße,

Natsuru

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