先日、大好きな坂本真綾さんのLIVE、「ALL CLEAR」に行ってきました!
昨年はミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ』でもたくさん真綾さんの姿を拝見できたし、
今年もすでに『TENTH』の『この森で天使はバスを降りた』で真綾さんの舞台を観ることができたのですが、
今回はちょっと久々のLIVE!!
本当に楽しみにしていたし、期待していた以上の素晴らしいステージでした。
なのでぜひ、興奮冷めやらぬうちにLIVEの感想を書きたいのですが、
全体の感想は次回の記事に書くことにして、今回は1月末に発売された真綾さんのニューシングル、「CLEAR」という曲にスポットを当てつつ、ちょっと自分の話を書きたいと思います。
全体の感想を書いた後でも良いのだけども、記念すべき今年度初の記事なので、
ついに年末にも年度末にも書き出せなかった話について書きたいと思い(笑)
CLEAR
この曲、20年前に放送されていたテレビアニメ『カードキャプターさくら』の続編、
『カードキャプターさくら クリアカード編』の主題歌として真綾さんが作詞された曲で、
新曲なのでもちろんLIVEでもうたわれることはわかっていたし、事前に曲も聞き、
アニメの主題歌らしい、明るくて元気な曲だなあと思ってはいたけど、事前に聞いた時は特にそれ以上の感想を持っていたわけではありませんでした。
でも、LIVEで真綾さんが「この曲を作るときに考えたこと、込めたかった想い」を聞いた時、何か心の奥底からわあっと込み上げてくるものがあって。
歌を聞いている間ずっと、涙が止まりませんでした。
私はもともとの原作を最後までは読んでいないので、話の展開にはあまり詳しくないのですが、
『カードキャプターさくら』という作品の主人公さくらは魔法を使える女の子で(かわいくてポジティブで若くて……、私にないものをたくさん持ってる、と真綾さんが語った時に笑いが起きていましたが(笑))、
きっとこの作品を好きな人たちはさくらのような子になりたいと憧れるだろうけど、実際にさくらのように魔法を使うことはできない。
でも魔法が使えなくても、別の方法でたどり着きたい場所へたどり着くこともできる、というメッセージを、真綾さんはこの歌に込めたかったそうです。
それは子どもたちや若い世代へのメッセージであると同時に、真綾さんがこれまでの人生でいろいろな経験をして導き出した答えであると思うので、
歌詞にすごく説得力があると言うか、素直でわかりやすいんだけど、深く心に沁みる宝物のような歌詞だと思いました。
私はべつに若い世代でもないのですが(笑)、
「魔法が使えないなら、別の方法で」をここ1年半くらいかけてまさに身をもって体感している最中な気がして、
「翼がないなら走ってくわ 行きたいところまで」の歌詞にあるように、
たどり着きたい場所にひゅんっと一息に飛んで行くことはできなくても、自分にもできるところからやっていけばいいんだ、っていう実感が今、自分の中にすごくあります。
今はもうその段階を乗り越えたんだろうけど、きっと真綾さんにもそういう時期があったはずで、
それを思うと、自分に言い聞かせるような、自分を信頼するような「できるよね」の歌詞がすごく心に響く。
不安もあるに違いないけど、「できるかな」じゃなくて「できるよね」、という答えの決まった自分への問いかけ。
この姿勢が、本当に素敵だと思います。
今までこのブログで何度か触れつつもいまだにちゃんと書けていないのですが、
私は2016年後半ぐらいから心身のバランスを崩し、今まで普通にできていたことができない、という状態に陥ってしまいました。
一言で説明できるようなものではないのですが、名前をつけた方がわかりやすいかもしれないので書くと、いわゆるパニック障害というものだと思います。
電車に乗っている時に息苦しくなってしまって乗り物恐怖症になってしまったことは何度か書いたけど、実は乗り物だけではなくて、
ひどい時はどこで何をしていても息苦しくて、過呼吸になるんじゃないかという不安が常にあって(実際はなったことないんだけども)、
ピークの時は歩いて5分の場所に1人で行くのも怖かったし、それだけでなく家で1人で留守番をするのも怖かったです。
たぶん、健康な生活を送っている人から見たら信じられない話だろうし、
こういう症状が出る前の自分だったら、「大変そうだな」と思いこそすれ、理解することはできないと思う。
1人ではほぼどこにも行けないような状態になってしまって、でも前は問題なくできていたことなだけにもどかしさも強く、
「早く元の状態に戻りたい」という焦りがずっとあって、言葉では書き表せられないくらいの苦しい期間を過ごしました。
でも今は当時の苦しみが信じられないくらい回復して、
起きてから寝るまで、常に自分の体調が気になってしまっていたのに、それもいつの間にかなくなり、
1人での遠出に何の抵抗もないかと言うと、その日のコンディションによって渋ってしまう日もあるにはあるのですが、
日常生活は何不自由なく、好きなことをたくさんして生活できるようになりました。
それって、「ほぼ何もできない状態まで落ちてしまったけれど、すぐに前の健康な状態に戻ることはできなくても、とにかく今できることをやる」ことから、
少しずつ少しずつやってきた成果なのだと思います。
すぐ解決できないなら、ちょっと回り道をしてもいいんだ。
一見、ゴールにはつながっていないような道でも、実はちゃんとつながってるんだ。
そういうことを、ここ1年半くらいで本当に痛感したのです。
それはパニック障害からの回復だけに限らず、自分の人生を大きな流れでとらえてみても、まったく同じことが言える気がする。
この話もいずれまた書きたいと思いますが、以前の私は社会に揉まれたりSNSに翻弄されたり(?)して本来の自分が望んでいない方向へ進んでしまっていた気がするけれど、
最近なんだか、遠回りをして本来自分がやりたいと思っていたことに意識が返ってきたような気がするのです。
なんかそれがまた、「CLEAR」の「泉がここにあるの 私をつかさどる源が」「諦めたつもりでもまた 透明なもので満たされていく」という歌詞に呼応している気がして、
LIVEではとにかく次から次へと溢れてくる涙を拭いながら聞いていました。
パンフレットには、「これからの若い世代はSNSが当たり前のようにあることで、常に周りと自分とを比較して劣等感を抱いてしまうのではないかと思うと可哀想」という真綾さんのお話も載っていたけど、これって本当にそうで、
SNSのせいで実際に会って知っているわけでもない人を羨ましく思ったり、何か劣等感を持ってしまったり、
もちろん実際に知っている人のSNSも同じで、みんなと足並みをそろえることができずに取り残されているように感じて無駄に焦ってしまったり。
私自身もSNSをやってはいるけど、ほんとにやりすぎると、無駄に自分の人生を振り回されてしまうなって思う。
SNSが本格的に広まった時、私はもう社会人になっていたからまだ良かったなと思うけど、学生時代にこれがあったら本当に大変だったと思います。。なんか、本来自分がしたいことすら見失って、他人と張り合うことに無駄な時間を使ってしまいそう。。
学生時代の時間って、若いし体力もあるし吸収力もあるし、本当は体を動かしていろいろなものに触れたり、たくさん本を読んだり人と会って話したり趣味に没頭したり、
自分を高めるために使える本当に貴重な時間なんだけどね。
ちょっと話がずれてしまったけど、真綾さんのエッセイを読んだり、MCを聞いたりしていると、
こんなに魅力にあふれて、誰にも真似できない感性を持っていて、たくさんの人に愛されているのに、
真綾さんは自分のことを「何の取柄もない」とか「平凡」とか思ったりしていることに本当に驚かされます。
「こんなに選ばれし人なのに!」って本当に思うんだけど、
でもそんなふうに「自分の魅力に気づけない」ことって、実は誰にでもあることなのかもしれないよなあ、とも思ったりする。
メディアに取り上げられたり、SNSで何かしらの地位を確立していたり、そういう人ばかりが「特別」に見えてしまう世の中で、
いろんな人が「あの人みたいになりたい」と思ったり、「あの人と比べて自分は…」とか比べる必要ないところで比べてしまったり、
そうして自信を失ってしまったり自分が恵まれていることに気づけなかったりしてしまうんだろうけど、
べつにすごく著名な人物とかじゃなくても、やっぱり人間は1人ひとりがその人にしかないものを持っていて、特別なはずなんですよね。
みんな本当はわかっていて、だからこそ「ナンバー1よりオンリー1」というあの歌がものすごくヒットしたはずなのに、
やっぱりどこかで、言葉で言われるだけじゃなくて身をもって体感しないと腑に落ちない部分もあるのかなあ。
「CLEAR」には、「みんなと同じじゃなくても自分にできることを見つけたい」という気持ちもストレートに込められていて、
たくさんのシンプルなメッセージが、真っ直ぐ心に届いてきました。
LIVEから帰って、パンフレットの透明な1ページに書かれた歌詞を、何度もくり返し読んでいます。
目の前を遮るものが何もなくなって、真っ青な空に向かって潔く離陸する。
「ALL CLEAR」というLIVEにはそんな意味も込められていたそうですが、
私も暖かい春を迎えたこの新年度、「CLEAR」をひとつのテーマソングにして、
離陸する飛行機のような気持ちで飛び立っていけたら良いなと思います。
たくさんの方がきっと「何か新しいこと」を迎える季節。
期待も不安も味方につけて、誰もが「自分らしく」スタートを切れますように。
長くなってしまいましたが、
LIVE本編の感想は次の記事に書きたいと思います!
Liebe Grüße,
Natsuru
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