『聖なる怠け者の冒険』

先日読んだ、森見登美彦さんの『聖なる怠け者の冒険』。

相変わらずの森見節がふんだんに盛り込まれていて、
特に森見さんの作品が好きな方には、台詞回しのひとつひとつも小気味良く感じられると思います。

主な森見作品の例に漏れず、この本もまた、京都が舞台。

京都の町をにぎわせている正義の味方、怪人ぽんぽこ仮面と、
無理やり彼の後継者にさせられようとしている生粋の怠け者、小和田くん。

この個性の強い2人に、追い打ちをかけるように癖の強い登場人物が集まって、
物語が展開していく宵山の夜。

時にはちゃめちゃな展開もあり、ちょっぴり背筋がひやっとするような場面もあり。

「宵山の夜」を舞台にしているということで、森見さんの『宵山万華鏡』ともつながりがあるのです。
ということは当然、前述の「背筋がひやっとするような」場面も出てくるのですが、
全体的にのんびりとした空気のただよう本作において、
この静かな薄気味悪さが、良いスパイスになっているような気がします。

もっとこういうシーンが多くてもいいなあ、と個人的には思うのですが(笑)、
やっぱり森見さんの描くちょっとミステリアスな京都はなんとも魅力的。

他には、主人公の小和田くんの安定のゆるさ、徹底した怠け者っぷりがお気に入りです。
「僕は人間である前に怠け者です」とか、他のどこでも聞いたことのないような名言がたくさん(笑)

表紙や登場人物等紹介のイラストもとってもかわいくて、 そこもまた味があり、
裏表紙の天狗ブランもレトロなかわいさ(´v`*)

この作品は『宵山万華鏡』だけでなく、『有頂天家族 二代目の帰朝』ともつながりがあって、
この三作品を同時期に読むのもまた乙なものかなと。

宵山のお話ということで、やっぱり冷たいラムネでも片手に、夏に読むのがおすすめです。

Liebe Grüße,
Natsuru

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