『夜は短し歩けよ乙女』

森見登美彦さんの本が大好き。

私は基本、1人の作家さんにハマるとひたすらその作家さんの作品を読みあさるタイプなので

森見さんの作品もたくさん読んできましたが、

とりわけ好きなのが『夜は短し歩けよ乙女』。

(と、並ぶくらい大好きな『有頂天家族』についてはまた後日触れたいと思います。)

森見さんの書く文章は独特で(前に紹介したいしいしんじさんとはまた違った意味で)、

馴染めない方には少々読みづらいかもしれませんが、

一度ハマってしまうともう、一文、一文、すべての文章が味わい深く感じられます。

特にこの作品は森見ワールド全開というか、

言い回しのひとつひとつが目に心地よくて、個人的には、「読むお酒」のような本だと思っています。

物語の流れは完全に把握してるのに、何度読んでも魅力的な文章で、

かれこれ10回以上は読んだかな。

京都大学出身の森見さんは、物語の舞台にも京都を持ってくることが多いのですが、

このお話の舞台も京都。

サークルの後輩の女の子に恋をし、彼女との距離を縮めるためにひたすら外堀を埋めつづける「私」と、

そんな先輩の意図にはまったく気づかず、自由奔放に突き進んでいく「黒髪の乙女」。

2人の目線で代わる代わるに語られる物語の中では、京都の町がとても魅力的に描かれていて、

かと思うと非日常的な不思議なことが起こったり、

思わず笑ってしまうようなばかばかしい(良い意味で)ことも起こったり。

黒髪の乙女が夜の先斗町を練り歩き、李白さんという名の老人と飲み比べをすることになる春、

下鴨神社で行われる古本市に、古本市の神様が現れる夏、

学園祭にてゲリラ演劇『偏屈王』の上演に巻き込まれる秋、

町中で風邪が大流行し、黒髪の乙女がみんなの看病をしてまわる冬。

表題作の春の話、「夜は短し歩けよ乙女」はやっぱり格別な魅力があるけど、

個人的には古本市の夏が描かれた「深海魚たち」もすごく好きです。

古本市の神様の台詞が、いちいち格好良くてしびれます。

今までなぜか年末に読みたくなるイメージのあった本だけど、

春夏秋冬が描かれているので、いつ読んでも楽しめるなあ、と今回読み返してあらためて思いました。

今年こそ浅草で電気ブランを飲んでみたいし、

いつか森見さんの本を片手にゆっくり京都散策もしたい(´v*

森見さん独特の文章がややとっつきにくく感じる方は、

『宵山万華鏡』や『きつねの話』から入ると良いかもしれません(どちらも背筋がひやりとするような本ですが)。

とにかく楽しみながら読める本なので、とってもおすすめな1冊です!

Liebe Grüße,

Natsuru

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