ビリー・エリオット ミュージカルライブ/リトルダンサー

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TOHOシネマズみゆき座にて、映画『リトル・ダンサー』をもとにした作品、

『ビリー・エリオット』のミュージカルライブを観てきました。

これは今年の9月28日のロンドン公演を映像にしたもので、

本編が始まる前にキャストのインタビューなんかもありました。

 

噂には聞いていたけれど、これが本当に素晴らしい作品!!

1984年、イギリスの炭鉱町が舞台で、

炭鉱夫たちのストライキなど政治的な動きも背景にしながら、

ある日偶然、女の子たちの通うバレエ教室にまぎれこんでしまったビリーが

ダンスにのめりこみ、めきめきと才能を伸ばしていく様が描かれています。

 

初めは家族の理解も得られず、踊ることに迷いすら見せてしまうビリーが、

ダンスの先生や親友のマイケルに励まされ、
心の奥底から湧き上がる「踊りたい」という思いにまっすぐ向き合う瞬間。

私自身も何か強い思いに突き動かされるようで、力がみなぎってくるような気持ちになりました。

「踊っていると自由になれる」というビリーの表現があったけど、

こういう台詞を聞くと胸が熱くなってしまいます。

それをするだけで「生きてる」、「自由だ」と実感できるものが私にもあって、

きっとこういう台詞を聞くたびに、そういったものに出会えたありがたさを実感するからだと思います。

 

亡くなったお母さんとの約束、先生との絆、マイケルとの悪(?)ふざけ、お父さんとのやりとり。

どのシーンからも目が放せず、何度も涙があふれてしまうこともありました。

マイケル、ほんとにいい味出していて、彼が出てくるだけで笑いがこみ上げてしまいます(笑)

 

ミュージカルの何がいいって、台詞をメロディーにのせることによって

まったくべつの場所で起こっている出来事をひとつの空間に、ひとつの曲の中に組み込めることだな、と

今回あらためて感じました。

炭鉱夫のストライキ、それを止める警官たち。
一方、バレエ教室で踊るビリーと女の子たち。

この2つの、真逆とも言えるシーンが同じ時間に舞台上で実現して、

しかもまったく違和感なく、一方のシーンがもう一方のシーンを更に劇的にする、
一種化学反応とも言える演出。

 

ミュージカルって、こういうことができるんです。

レミゼのOne day moreとか、RENTのAnother Dayとかみたいに、

別の場所にいる人たちの声を同時に、きれいなハーモニーにすることができる。

そこにダンスや照明の動きが加わって、迫力も倍以上になる。

最初にこれを思いついた人ってほんとにすごいなあと、今更ながら思ってしまいました。

 

もうひとつあらためて感じたのは、物語の持つ力。

作中で主人公のビリーは「天才」とか「特別な才能」という言葉でまわりに評価されますが、

こういった台詞により、観客はもちろん、ビリーのダンスを「特別」なものとして見るわけで。

そのことが、ビリー(役の子)が本来持つ能力以上のものを、お客さんに見せてくれるような気がする。

本来そこにあるものより、よりいっそう素晴らしいものを、観客は受け取ることができるんだと思うんです。

 

どういうことかと言うと、ただ普通に男の子のダンスを見るのと、

「あの子のダンスはほんとに特別! みんなに評価されてるんだよ!」と聞いてからその子のダンスを見るのとでは、

やっぱり目に見えるもの、受け取るものってどこか変わってくるよね、という話。

海外ドラマのgleeのレイチェルとかにもこういう効果ってあると思うんだけど。

 

もちろん、演じる本人に十分な実力が備わっていることが条件なので、

その役者さん自体が本当に素晴らしいんだという事実は変わりません。

でもそこに、「この子は天才」という物語の設定が加わることで、

作品がいっそう神がかったものになる気がする。

そんなふうに見せてくれる「物語」の力って、やっぱりすごいなあーと感じてしまいました。

 

主演のエリオット・ハンナくん、本当に素晴らしかった!

バレエやタップダンス、演技、歌。

本当に高度な技術を求められる大変な役だと思うけど、

目をきらきらさせて演じきる姿に終始引き込まれました。

将来がとっても楽しみです。

 

更に、この舞台では初代ビリーを演じた役者さんとの共演が実現していたり、

カーテンコールでは歴代ビリーを演じてきた25人の役者さんたちの豪華なダンスを観ることができたり。

これだけでも見応えがあると思います。

 

一応、映画が確実に公開されるのは25日まで(?)のようなのですが、

もし行けそうな方はぜひ!

私もすべりこみでしたが、行って本当によかったな、と心から思える作品でした^^
http://movies.yahoo.co.jp/movie/350494/story/

 

Liebe Grüße,

Natsuru

 

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