先日Kバレエカンパニーの『カルメン』を観て、他の演目を観返したい気持ちが強くなったので、
『コッペリア』(2004年公演)のDVDを観返しました。
本当は『ロミオとジュリエット』にしようか迷ったんだけど、
喜劇を観たいような気分だったのでこれを選びました。
フランツを演じているのはもちろん熊川哲也さんで、スワニルダは神戸里奈さん。
『コッペリア』は他のバレエ作品に比べると比較的マイナー?な方なのかもしれないけど、
とても華やかで明るくて、コミカルな要素も多く含む作品です。
舞台は19世紀半ばのヨーロッパ(たぶん東欧)のとある村。
謎めいた科学者、コッペリウスの屋敷のバルコニーでいつも本を読んでいる少女のことが気になって仕方ない村娘のスワニルダ。
彼女の婚約者であるフランツもこの少女のことを気にしていて、密かにアプローチを試みてはスワニルダを不機嫌にさせてしまいます。
ある日、コッペリウスが出かけている間に友達と屋敷へ忍びこんだスワニルダは、本を読んでいる少女の正体がコッペリウスの作った人形、コッペリアであることを知るが、そこへコッペリウスが帰宅。
運悪く、単身屋敷へ忍びこんできたフランツもそこへ鉢合わせて…という物語。
一悶着あるものの、ラストはスワニルダとフランツの結婚式で華やかに幕が閉じます。
実際に舞台を観た時も思ったけど、衣装が本当に彩り豊かですごく華やか。
スワニルダの衣装の赤と、フランツの衣装の青も鮮やかな組み合わせで舞台映えしてます。
かわいらしい衣装に加え、3幕の祭りのシーンは特にランタン等の装飾も素敵。
この公演を観るまでは熊川さんはどうしても王子役の印象が強かったので、
ひょうきんで少々浮気性なところもある村の青年、フランツを演じる姿に良い意味で驚かされました。
こういう役も踊るんだ!と、とても新鮮だったのを覚えています。それでいてまったく違和感がなかった。
神戸さんのスワニルダもかわいらしさの中に芯の強さが出ていて、喧嘩してるところも微笑ましい素敵なカップル。
スチュアート・キャシディさんのコッペリウスにはやっぱりどこか愛嬌があって憎めない。
2幕最後、衣装をはがされたコッペリアを抱いて途方に暮れる場面はなんだか切なかったです。
久々に観返したけど、やっぱり熊川さんの他に類を見ない跳躍と「決め」のひとつひとつにため息が漏れそうになりました。
村の一青年の役でも、王子役の時と変わらない並々ならぬオーラ。
『カルメン』を観ていた時もふと思ったのですが、
こうして踊ること、作品を創り続けることは、熊川さんに与えられた生涯の使命なんだなあ、と思わされます。
ひとつ成し遂げて満足するのではなく、次へ次へと突き進んでいく姿が本当にかっこいい。
こうしてKバレエの作品を観てたら、ついついもう一度『カルメン』を観たい衝動に駆られてしまいました。
『コッペリア』とはまったく違う作品なんだけど、だからこそあのスペインの大地で感情をむき出しにして、
衝動的に展開された舞台の肌触りをまた体感したくなるというか。
こうして後々DVDで観るのもいいけど、やっぱり舞台を生で観た時の感覚って、一生忘れたくないものです。
と、言いながらも現在上演してない作品はDVDで観るしかないので、
また近々他の作品も観たいなーと思います。
まったく関係ないけど、さっきたまたま映画『美女と野獣』のCMが流れていたのですが、
曲がなぜか『シンデレラ』のワルツでちょっと違和感!(笑)
あのCMの感じだとミステリアスな雰囲気も出してくるのかな?
最近映画館に行って観たいと思う作品があまりないんだけど、
これはたぶん観に行くと思うので公開が楽しみです^^
Liebe Grüße,
Natsuru
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