10月8日の劇団四季『CATS』マチネ公演、前回の感想の続きです。
今回は第二幕の感想。一幕に引き続きネタバレ(?)や今回公演からの変更点などを含むマニアックな感想になりますので、ご了承ください。
もう一度、この日のキャスト表を載せておきます。
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ACT.2
幸福の姿
二幕の初め、デュトは舞台上ではなく客席から歩いて登場。このさりげない二幕の始まりがまたCATSらしくて好きです。
CATSはストーリーが非常に難解というか、おそらく何も考えずにぼーっと観ているだけでは何が何なのかわからないうちに終わってしまう作品かなと思うのですが、
この作品が影響を受けているであろう文学作品などと照らし合わせながら解読や推察をしていくとものすごく深く、それもあって何度も観たくなってしまうミュージカルです。
私なりの解釈についてはまたいずれ詳しく書く機会を設けたいなーと思いつつ、今回はあまりその点には触れませんが、
この作品を読み解く上でこの二幕初めの「幸福の姿」の歌詞は非常に重要だと思っています。
ラストのメモリーと呼応するようなこのシーン、どことなく切なくさせられる曲です。
ガス
劇場猫のガス。古き良きイギリス感が出ているような、しっとりした1曲。
このシーンのガスが老人らしければらしいほど、次の曲でどんな変化を見せてもらえるのかわくわくします。
グロールタイガー
海賊猫のグロールタイガー。突然始まるこの劇中劇も、多種多様なCATSらしくて良いなーと思います。
グリドルボーンのふわふわの毛、けっこう飛ぶので吸い込んじゃったら大変だろうな、といつも思う(笑)
このあたりは安定の演出で落ち着いて観ることができました。
スキンブルシャンクス
子どもも大人も楽しめるに違いない曲、鉄道猫のスキンブル。
この曲の手拍子ではいつもCATSのリピーター率の高さを感じさせられますが、なんかこの決まりきった感じの手拍子、初見の人は置いてけぼり(?)になっちゃう気もして、もっと自由でもいいのにな、と最近なんとなく思います。
変わったなと思ったのは、後半の「夜行列車の旅は素敵~」の部分の編曲。
前はここだけもっとしっとりした曲調で、元気な曲の中にどことなく切ない雰囲気が入るのが大好きだったのですが、
なんか今回はあまりしっとりせず、終始明るかった印象。気のせいだったら申し訳ないけど、気のせいではないと思う(笑)
汽車のシーン大好きなだけに、ここだけの特別感というか、メリハリがあるままの方が良かったなー、と個人的には感じました。
もうこのへんは好みなのでなんとも言えないけども。。
マキャヴィティ
今更ながら、やっぱりマキャヴィティの姿はもうちょっと格好良い感じでもいいのではと思いつつ(ディミータとボンバルリーナが密かに憧れるくらいなので)、異様な感じを出すにはああするしかないんだろうか(笑)
マキャとの闘いのシーンは、前よりもミステリアスな感じになっていました。
前はわかりやすくマンカスが猫パンチを繰り出したり(笑)、マキャは追い詰められて逃げる、みたいな印象だったんだけど、
今回の闘いは「結局誰もマキャヴィティには敵わなかった」みたいな印象を受けた。
この方が犯罪王マキャヴィティのミステリアス度が上がって良いなと思いました。
ミストフェリーズ
マジック猫ミストフェリーズ。この曲もエンターテイメント性が高くて元気になれる。
タガーの歌パートや振りが増えてました! あんたどこまで目立つねん、と思いながら観てしまったけど(笑)
タガーって性格のわりにけっこうみんなに積極的にからんでくるし、特に四季版タガーは親しみやすさもあるので、あんまりひねくれ感がないですよね(笑)
と言ってそれが嫌なわけでもなく、つくづくおいしい役だなあと思って観ています(笑)
ミストがマジックでデュトを見つけるシーン、アシスタントがボンバルリーナ(←なぜか最初ジェミマって書いていたことに気づき訂正しました(笑))からヴィクトリアになってましたが、ここもロンドン版に倣ったのかな。
この後、タガーがアドリブっぽくうたうシーンも、ロンドン版っぽくなった!と思いました。
メモリー
今までグリザベラに嫌悪感を抱いていた猫たちが、この1曲で一気に心を入れ替えることになるので、やっぱり難しいシーンだなあ、と思いました。グリザベラがうたっている間猫たちはほとんど動かないので、感情の変化を表現するのもまた難しい。
でもやっぱり、自分自身、年齢を重ねるごとにこの曲で沁みてくるものがどんどん増えるなー、と感じています。
二幕初めの「幸福の姿」に呼応する形でうたわれるこのラストの「メモリー」についても、またいずれ思うところなど書けたら良いなと思います。
うたい終わって去ろうとするグリザベラがシラバブの気配に気づくのがちょっと早いような気もしたけど、気のせいかな(笑)また次回注目してみようと思います。
天上への旅
ついに別の次元である「天上の世界」が出現するこのシーン。
私の卒論のメインテーマだったゲーテの『ファウスト』を思い出さずにはいられません。
この舞台においては、人間の姿では表現しきれないことを猫の姿を借りて表現しているような気もして、「猫からのごあいさつ」と合わせて崇高なものを感じるシーンです。
なぜだか感極まってしまう。
猫からのごあいさつ
多種多様で壮大なストーリーの締め。高らかな歌声に気持ちも高揚して、大きな満足感と共に観劇を終えることができました!
カーテンコール
タガーの目立つカーテンコールは今回も健在(笑)マンカスとミストとのからみもあり、お客さんのツボを心得てるなーとも思いました(笑)
などなど。
今回の観劇で感じたのはこのあたりかなあ。
CATSは一番回数観ているミュージカルで30回以上は確実に観ているのですが、30回を超えたあたりで数えるのをやめてしまったので、今回は何回目だったのかもはや謎(笑)
でもそれだけ観ても新しい発見があったり、年齢と共に感じることが変わったり、そして新演出に新鮮さを感じさせてもらったり、やっぱりすごいミュージカルだなあと思います。
今回の東京公演、いつまでやってくれるのかはまだ謎ですが、あと1回は観に行く予定なので、また新たな発見があるといいなと思います^^
チケットも大人気のようですが、まだ観たことのない方も観たことのある方もぜひ!
非日常感を味わえるおすすめの舞台です!
Liebe Grüße,
Natsuru
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