今村翔吾 『ひゃっか! 全国高校生花いけバトル』 感想

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早いものであっという間に11月になり、今年もあと2ヶ月。

今年観た舞台や読んだ本、その他触れた芸術などを坂本真綾さんのほぼ日手帳に書き込んでリストにしているのですが、

リストには100作品書き込めるようになっているのに、まだ30くらいしか埋まってません。。

私のほぼ日手帳は3月始まりなので、まだ猶予(?)はあるのですが新しい手帳に移行する前にもう少しちゃんと埋まるといいなー。

 

と思っていたタイミングで読んだ今村翔吾先生の新刊、『ひゃっか! 全国高校生花いけバトル』の感想を書きたいと思います。

例によってざっくりですが、ネタバレはなしです!

 

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今村翔吾『ひゃっか! 全国高校生花いけバトル』

このブログでは感想書きそびれているのですが、、もともと今村先生の本はデビュー作の『火喰鳥』のシリーズ(羽州ぼろ鳶組)を数冊読んだことがあり、

こちらは江戸時代の火消しが主人公で、熱い男たちが中心の時代小説になっているのですが、

今回の『ひゃっか!』は生け花をする現代の女子高生が主役ということで、どんな雰囲気なんだろうとわくわくしながら開きました。

時代も主人公の性別も、もちろん扱っているテーマも違うので、当然と言えば当然かもしれないけど、ぼろ鳶組とはまた全然違う雰囲気!

あまり歴史に詳しくない私にとってはやっぱり時代小説より読みやすく、さくさくと2日ほどで読んでしまいました(笑)

でも全然雰囲気は違うのに、作品の底に通っている血の熱さは同じで、主人公たちが「戦場」とみなす場に出陣していく緊張感や勢いにも通ずるところがあったように思います。

 

ぼろ鳶組読者としては、時代は違えども世界観がしっかりリンクしているのも嬉しかったです^^

違う作品同士のこういったリンク、個人的に大好きなのですが、作家さん自身も楽しんで書いている感じが伝わってくるのもまた良いなあと思います。

あらすじ

ざっくりとこの本のあらすじを書くと、

高校生の大塚春乃が祖母を喜ばせるため、「全国高校生 花いけバトル」という生け花の大会に出ることを決意し、

一緒に出場してくれるパートナー探しの中で転校生の山城貴音と出会い、徐々に仲を深めながら全国大会優勝を目指していくストーリーです。まさに高校青春もの。

花を愛し、仲の良い家族の間で育ったすれたところのない性格の春乃と、

高校生でありながら大衆演劇の役者で生け花の経験もある貴音。

赤面してしまうような恥ずかしいやり取りがあるわけでもなく(笑)、自然と距離を縮めていく2人の様子は読んでいて清々しいし、

サブキャラたちにもそれぞれに素敵な味があります。

貴音も男気があって格好良いけど、個人的に気になったのは大会のライバルに当たる丸小路秋臣

物腰がスマートで、どちらかと言うと男性作家さんの書く作品にはあまり登場しなさそうなタイプの男性な気がして印象深いのですが(笑)、

私の中では勝手にフィギュアスケートの羽生結弦選手みたいなイメージです(笑)

登場シーンは決して多くないのにこの存在感すごい!と思いました(笑)

感想(ネタバレなし)

すでにさっきからちょこちょこ感想書いてますが(笑)、

これまで今村作品を読んできて、最初から最後まで中だるみ的なところなくすーっとスムーズに読ませてくれる作品だなーと思っていたけど、この作品もまさにそうでした。

するすると読めて、気づいたらクライマックス!みたいな感じ。

そして清々しくもあり、ほっこり心が温まるような気持ちにさせられる読後感。

今村先生の描く家族のエピソードとか、そこに流れる温かい空気はひとつの大きな魅力だと思います。

 

花いけの大会のシーンもすごく魅せられるというか、花だけでなく、大衆演劇の役者である貴音が見せる舞台上での堂々としたパフォーマンスも素敵。

これが単なる生け花ではなく、やっぱり観客に向けたエンターテイメントでもあるということを実感できるし、時代小説出身の今村節(?)が発揮されてより活き活きとしたシーンになっているように感じました。

 

そしてなんだか、続編も十分期待できるようなラスト!

主人公の春乃たちはまだ高校2年生で高校生活ももう1年あるし、個人的にはぜひ続編を読んでみたいです^^

 

あとこれはこの作品を読まれた方皆さん思うのではと思うのですが、ぜひ実写で観てみたい!

「生け花」という日頃視覚を中心に味わうものを文章だけで表現するのって本当にすごいことで、

文字を通して美しく咲き乱れる花や大会で生けられた作品を想像するのもとても楽しいし、花の香りまで伝わってくるような見事な描き方になっているのですが、

やっぱり実際にこの目で作品を観ることができたら楽しいだろうなあと思うので、

ぜひ実写化希望です! すごく実写向きの作品だと思う(笑)

 

巷ではフラワーアレンジメントの方が流行ってる(?)のかもしれないけど、

私自身、ほんのちょっとだけ生け花をかじった経験もあるので、これを機にもっと生け花がメジャーな習い事になったりしたら素敵だなあと思います。

 

というか、この本を読んで初めて「高校生花いけバトル」という大会の存在を知ったのですが、

生で観たら面白そうだなー^^制限時間5分ってけっこう短い気がするけど、限られた時間と花材の中でどんな作品が作られているのか興味津々です。(とか書きながら花いけバトルのHPをチェックしてますが(笑))

 

 

ざっくりと言いつつ、長くなってしまったので今回はこのへんで。

夏は花がすぐだめになってしまうのであまり飾ってなかったけど、またリビングにもちょいちょい花を飾りたくなりました^^

 

Liebe Grüße,

Natsuru

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