スペイン旅行に行こうと決めたのは、
出発から5日程前のことだった。
11月の初めにある、カトリックの祝日、万聖節。
その日と、隔週しかない授業が上手いスケジュールで組み合わさって、
「来週旅行とか行く時間ありそうじゃない?」というところに、
ドイツ(ミュンヘン)-スペイン(マドリード)間を、
なんと日本円にして2万円以内で往復できる
ルフトハンザの格安航空券を発見!
まさに今が絶好のタイミング!
ということで、レオナ、潤と一緒にかなりばたばたと予定を立てた。
急な話だったけれど、
秋からスペインのサラマンカという町に留学しているサークル同期、ぴの(♂)にも会いに行くことになり、
旅の行先はマドリード、セゴビア、トレド、サラマンカに決定。
かくして、いつか行ってみたいと思っていた国のひとつ、
スペインへの旅行が幕を開けた。
その日は朝6時半起床で寮を出発したのだけれど、
少し前にサマータイムが終わったせいで、
レゴランドの時のような薄暗い朝をもはや体験できなくなり、
ちょっぴり残念な気持ちに(笑)
アイヒシュテット・シュタット駅では
「これからノイシュヴァンシュタイン城に行く」と言う留学生のみんなに出くわしたけれど、
私たちが「これからスペインだ」と言うとみんな驚いていた。そりゃあね(笑)
順調にミュンヘン国際空港に到着すると、
乗り込んだ飛行機の中では当時ドイツで(ヨーロッパで?)大流行していた
Juanes(フアネス)という名のスペイン人歌手の歌が流れていて、
なんだか粋だなあと思った。
余談だけれど、
JuanesとSHAKIRAは、まさに私たちの留学時代を代表する歌手となっている。
ミュンヘンからスペイン、マドリードまでは約3時間。ほんとに近い。
そしてEU圏内なので、パスポートチェックも何もなく入国。
(今はもうちょっと警備が厳重になってるのかな?)
そんなわけで、ついに情熱の国、スペインに上陸!
もはやまったく覚えていないのだけど、当時の日記を振り返ると
「十字架を運ぶため(?)にシスターが急いでたりして面白かった」と書いてあってちょっと笑えた。
ここからはいよいよ、マドリード市内へ移動。
事前にいろいろ調べてみると、マドリードはとにかく治安が悪いとのこと。
スペイン語ぺらぺらのぴのでさえ、着いた初日に強盗団に襲われるという事件にあっていたため、
かなり戦々恐々としていた私。
特に空港なので、警戒オーラを全開にして、
少しでもこちらの荷物を狙っていそうな人物はいまいかとチェックした(笑)
いろんなガイドに「ホステルまではタクシー移動推奨」と書かれてあったけど、
スーツケースをがらがらと引いているわけでもなく、
比較的軽装だったので、地下鉄で移動することに。
スペインへの到着が昼過ぎ頃だったので、
なんとかなりそうな気がしたのも大きい。
マドリード近郊の地下鉄駅はこんな感じで、
車内のアナウンスなんかも、
男性の声で「次の駅はどこ?」みたいな質問が流れ、
女性の声が「~駅よ」と答えるという、
情熱の国ならではの、実にユニークなものだった。
そんなこんなで、マドリード中心地(?)にやって来た我々は、
まずホステルに荷物を預けた。
セキュリティもしっかりしていそうで、
すぐ隣にお土産屋さんもあり、立地的にはなかなか良いホステルだった。
チェックインまではまだ時間があったので、
まずはマドリードを軽く散策してみることに。
とにかくスリや強盗を警戒し、
(スリだったら気をつければなんとかなるけど、強盗とかに囲まれたらたぶんもうどうしようもない)
スペイン旅行は荷物最低限、
服もできるだけ目立たず、地面と同化するようなアースカラーで、と決めていた私(笑)
あとから写真を見ると、もう少しおしゃれもしたかったなあと思うけれど、
それも無事に帰って来られた結果があってこそなので致し方ない。。
洋服のあちこちにお金を入れて、
挙句の果てには靴下の中にも紙幣を折りたたんで入れて(笑)、
手ぶらの状態での街歩きとなった。
建物の色や雰囲気からして、まるでドイツとは違う風景。
ドイツだと「ポリツァイ」だけど、
スペインでは「ポリシア(?)」なんだなあ、となんとなく思って撮った警察。
プラド美術館の方まで歩いて来つつ、
ここはまた明日、ということで練り歩きを続行。
なんだかこの、うろこ雲のような雲は私の中でスペインのイメージ。
そうして散策しながら我々がたどり着いたのは、
レティーロ公園という広い公園だった。