「あさってからスウェーデンに行こう!」
なんていう急な思いつきも、
ドイツに拠点があると嘘みたいにさくっと実現できてしまう。
2006年9月14日。
昨夜急いで最低限の荷物だけをパッキングしたレオナと私は、
朝早くミュンヘン国際空港を目指した。
私たちが利用したのは、期間限定で場所も指定はできないけれど、
かなりお得な値段で買うことができるルフトハンザの格安航空券。
格安なのにルフトハンザだなんて、まさにお得感倍増。
初めて機械を使ってチェックインしたのだけれど、
ものすごく簡単だった上に座席もちゃんと選べて満足。
あまりにもさくさくいきすぎて時間が余ってしまったので、
空港内ではアイスを食べたり紅茶を飲んだり。
海外ドラマとかにたまに出てくるかなりアナログなサッカーゲームをしている
ドイツ人(?)たちが近くにいたのだけど、
人数不足でなぜかレオナが助っ人として活躍したりもした(笑)
聞けば、どうやら彼らも我々と同じくストックホルムへ行く模様。
ミュンヘンからストックホルムまでは飛行機でわずか2時間ほど。
小ぶりな飛行機は、北欧初上陸を前にわくわくが止まらない私たちを乗せて、
ふわりと上空へ浮かび上がった。
ルフトハンザの飛行機なので、当然CAさんたちともドイツ語で会話ができるはず。
…なのだけれど、当然と言えば当然、CAさんたちは我々のような日本人には
基本的に英語で話しかけてくる。
…が、私は英語の発音にかなり苦手意識があるので、
極力英語は話したくなかった。
短い空の旅にも関わらず機内食としてハムorチーズのバゲットが前の席から運ばれてくるのを見て、
私はレオナに宣言した。
「「ハムとチーズどっちがいい?」って絶対英語できかれるけど、
私は「シンケン(ドイツ語で「ハム」の意)」ってドイツ語で答える!」
そんな固い決意を胸にCAさん(20代・男性)を待っていた私。
しかしながら、流されやすい性格というのはこんな短時間で直せるはずもなく、
CAさんに「どっちがいい?」と英語できかれた時、
気づいたらこう答えていた。
「ヘァム」
恥ずかしいやら情けないやら。
それでも一応希望していたハムバゲットは手に入ったということでお茶を濁しながら、
私たちはその後も空の旅を楽しんだのだった。