留学生みんなでニュルンベルクへ行った時に、初めて会話をしたスロヴァキア人のティボー。
あれ以来、語学講座の休み時間にも私たちに声をかけてくれるようになって、
彼と同じく上級クラスのルーマニア人、アリナともすぐに仲良くなった。
(私たちがティボーと話しているといつもアリナが入ってくるので、アリナはティボーのことが好き疑惑があったけれど、
実は日本人の私たちの方に興味があっただけらしい(笑))
そんなティボー、アリナたちが住んでいるのは、実は語学講座の行われているアイヒシュテットではなく、
列車で30分ほど行ったところにある町、インゴルシュタット。
(もともと、アイヒシュテット・カトリック大学はインゴルシュタットにある方の大学と合わせてひとつの大学)
イースター休暇第2日目、私はレオナと潤と一緒に、ティボーとアリナに会いにインゴルシュタットを訪れた。
インゴルシュタットはミュンヘンなどに比べたら小さな町なのかもしれないけれど、
アイヒシュテットからやって来た私たちにとっては十分都会に見えた。
土曜日に、しかもイースター休暇なのにけっこうな数のお店が開いていることにまず感動。
ドイツ語に訳された日本の漫画を本屋で発見した時なんて、思わず興奮してしまった。
そしてティボーやアリナと落ち合う前に、ふらりと入った楽器屋さんで運命の出会い。
そんな予定はまったくなかったにも関わらず、ほぼ即決でクラシックギターを買ってしまった。
日本ではもともとクラシックギターのサークルに入っていたので、
ドイツでもギターを弾けたら良いな、とぼんやり思ってはいたけれど、
まさかこんなタイミングで購入してしまうとは。。(笑)
ギターはお店のおじさんが少しおまけをしてくれて、ケースと合わせて200ユーロ。
このおじさんが本当に良い人で、もう少し高めのスペインギターと迷う私に、
チェコの木とドイツのノウハウで作られたというこのギターを勧めてくれた。
白くてすべすべした表面が本当にきれいで、日本に置いてきたギターとは一味違った音色のギター。
一度弾いただけで本当に気に入ってしまったので、おかげでこの日はずっとギターを背負いながら行動する羽目になったけれども(笑)、
出会えて本当に嬉しかった。
それからお昼にケバブとアイスを食べて一息つき。
本来の目的であったティボー、アリナとの待ち合わせ場所に向かうと、
彼らの友人であるインゴルシュタット大学への留学生、スロヴァキア人のイワナとマルタという女子2人組もやって来た。
そこに、インゴルシュタットを案内してくれるという謎のドイツ人学生(彼と会ったのは後にも先にもこれ一度きり。名前は聞き逃してしまったため、気だるそうなその雰囲気から、レオナと潤と後に「ケダル」と命名)も加わり、
途中でビール休憩等を挟みながら、我々はインゴルシュタットをぶらぶら歩いた。
この日学んだことと言えば、
インゴルシュタットにはあの有名なドナウ川が流れていること、
ダニエル・ラドクリフ似のイケメン、ティボーはけっこう乙女な趣味をしていること、
スロヴァキア語では「クマ」のことを「マツコ」と言い、「クマのプーさん」のことは「マツコプー」と言うこと(その響きの絶妙さに、聞いた瞬間、日本人3人しばらく笑いが止まらなかった)
などなど。
その後、アリナの住むWG(シェアハウスのようなもの)でパスタをごちそうになり、
流れで教会で行われるイースターのミサにも参加。
終電の関係でミサは途中までしか参加できなかったけれど、教会は天井がとても高くてきれいだった。
その後、レオナと潤と3人で急いでインゴルシュタット駅へ向かう途中でまさかの迷子になり、
たまたま道を尋ねた男子2人組がインゴルシュタットの学生だったため、彼らの車で駅まで送ってもらう、
なんていうプチハプニングもあったものの
(彼らは「普通は知らない人の車になんか乗っちゃだめだからね」とも言ってくれた。
かなり切羽詰っていたのでこういう展開になったけれど、それはもうごもっとも)、
無事にアイヒシュテットに帰った私たちだった。
と、本当はここで1日を終えたいところだったけれど、
アイヒシュテットに帰った途端、なぜか留学生みんなでディスコ(今の日本で言うクラブと同じものだという理解)に行こう!という流れになり、
ギターを抱えたままディスコを2件はしご。。
正真正銘はじめてのディスコはすさまじい音とタバコの煙が蔓延していて正直肌に合わなかったけれど、
いつもよりずっとテンションの高い各国の留学生を眺めるのはなかなか面白い体験だった。
やっと寮に帰った時にはなんと深夜3時すぎ。
だけどどうしてもギターを弾きたくて、眠る前にこっそり弾いてみたりもした。
いろいろありすぎてへとへとになった1日だったけれど、
これから毎日ギターを弾けるという幸福感で満たされながら、ベッドにもぐりこんだ日だった。