ブリギッテと合唱コンサートとバオホバイネポー

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ドイツに来てから1ヶ月が経った頃。
長い春休みも終わりに近づき、ドイツ人学生たちが徐々にアイヒシュテットに戻って来た。

人口が少なく静かな町も、心なしか活気づいてきている気がして、
本格的な春がやって来るのを感じた。

そんな4月の最終週に起こった中で、印象的だった出来事をいくつか。

ブリギッテ

前に触れたとおり、アイヒシュテット・カトリック大学では原則として、
1人の留学生につき1人、ドイツ人学生がチューターとしてついてくれる。
(2、3人の留学生につきチューター1人、という場合もある。)

私にチューターとしてついてくれた学生はブリギッテという名前で、彼女は私がまだ日本にいる頃から、メールで連絡をくれていた。

私の返したメールに「ドイツ語上手でびっくりした!」と言ってくれたり、
アイヒシュテットのことや彼女の経歴を丁寧に説明してくれたり、
間違いなく、彼女は留学に対する私の不安を軽くしてくれた人物の1人だった。

 

私がアイヒシュテットに到着した当初、彼女はまだ春休みで、すぐに会うことはできなかった。
けれど夏学期を目前に、ついにアイヒシュテットに帰って来ると言う。

アイヒシュテットに着くその日、ブリギッテは私を学生の居酒屋、テーケに誘ってくれた。
どんな子だろう、とどきどきしながらテーケに続く坂を上ったときのことが懐かしい。

テーケに着くと、そこに立っていたのは金髪できれいな青い目をした、小柄でかわいい女の子。
お互いに名前を確認し合うと、ブリギッテはきゅ、とハグをしてくれた。

その後、リンゴジュースをごちそうになり、私が日本のお土産(扇子、お箸、絵はがき等)を渡すととても喜んでくれた。

 

語学講座の先生、トリクシーが太陽のようなら、ブリギッテはまるでひまわりみたいな子だった。
想像以上にかわいくて、私のわからない単語も、笑顔でとてもわかりやすく説明してくれた。

ドイツ語で話しているとき、「本当はこうだけど、ここまで説明するのめんどうだからいいや」と話を省略してしまうことがあるのだけれど、
ブリギッテの前ではそんなふうに思うことはなかった。
真剣に話を聞いてくれる彼女に対して、拙くても精一杯伝えたい、という思いが湧いた。

趣味や旅先の話など、話せば話すほど、不思議な縁を感じる子だった。
私はドイツに来てから急にオレンジ色が好きになり、寮の部屋もオレンジ色で統一し始めていたのだけれど、
オレンジ色はブリギッテも好きな色で、
後にまったく同じオレンジ色の電気スタンドを使っていたことを知ったときは、お互いとても驚いた。

 

合唱コンサート

ある日、大学構内でとあるちらしを見つけたレオナ、潤、私の3人。
「なんか合唱コンサートやるっぽい!」ということで、当日、いそいそと大学へ出かけた。

…ものの、着いた教室はなんだか普通の教室で。
「もっとホールっぽいところでやると思った」などと話していた私たち。

そこへダンディな先生が登場し、「自分の椅子は自分で持って移動して~」と言い出した。
思っていたより内輪なコンサートなんだな、と思っていると、
「ソプラノとアルトに分かれて座って~」と、先生。

ん…?
このままだとなんだか一緒にうたわされるような雰囲気…?

と、不審に思って先生にきいてみると、案の定、これはコンサートでもなんでもなく、合唱サークル的な何からしい。
そんなバカな!

なんともアホらしい間違いに、そそくさと帰ろうとする私たちに、しかしながら先生は陽気な声で言った。
「うたえばいいじゃん!YOUうたっちゃいなよ!」(と言っているように私の耳には聞こえた。)

かくして我々は、なぜか超参加型コンサートを体験。
レオナなんて、コンサート風にちょっとおしゃれして来ちゃったのにね(笑)

そしてこの奇妙な縁で、潤と私は夏学期中この合唱サークルに参加し、
潤に至っては立派に発表会にも出演した(笑)

言葉が不自由ということは、時に思いもよらない事態を引き起こすのだと、
身をもって経験した出来事だった。

バオホバイネポー

この魔法の呪文のような、ビビデバビデブー的用語は何か。
直訳すると、ドイツ語で「腹、脚、尻」という意味である(笑)

アイヒシュテット・カトリック大学には、学生たちが自由に参加することのできるスポーツのプログラムがある。
毎日、どこかで何かが行われていて、
エアロビクス系のプログラムは、10ユーロを支払えば夏学期じゅう、好きなときに好きなだけ参加することができた。

運動不足でなまった体には、なんともありがたいこのプログラム。
初めて参加したのは、この「バオホバイネポー」という名のプログラムだった。

バオホバイネポーは水曜の朝、授業前に参加できる時間帯だったため、寮からジャージで大学へ向かった。
体育館(?)に行くと、そこにはすでにたくさんのドイツ人学生が。
みんなやる気満々だなあ、と緊張したけれど、実際始まってみると、雰囲気はとてもゆるかった。

先生が登場し、音楽を流しながらストレッチが始まったものの、先生の動きは微妙に音楽に合っていない(笑)
周りの学生の動きもなんだか自由。
後半はマットを使ったけれど、そのときも学生の動きはばらばら。

…だったけれども、約1時間ほどのプログラムはかなり体に応え、ものすごい筋肉痛に襲われた(笑)

でも、朝からこんなふうに運動できるのはなんともさわやかだし、10ユーロでいろんなプログラムに参加できるのはかなりお得。
バオホバイネポー以外にも、普通のエアロビやら何やら、いろいろなプログラムがあった。

ちなみに、エアロビ系以外のスポーツプログラムも充実していて、
私は別途、5ユーロを支払ってタップダンスのプログラムにも参加していた。

本当に良いプログラムなので、アイヒシュテットに留学する際はぜひ(笑)

 

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